Tea Story 読めばきっと好きになる紅茶のお話

2015.04.22

インド紅茶の旅日記:【第五回】茶葉の玉解き~篩(ふるい)分け

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1)玉解き( たまとき Roll Breaking )
揉捻が終わって、玉解きをする。玉解きは熱を帯び、塊りになった茶葉を解きほぐして、熱をさまして全体が空気にふれて酸化発酵がしやすくしてやる。これを玉解きと言う。玉解きで一番最後に残った大きな茶葉は、再揉念機にかけて揉み直し、カットする。

2)酸化醗酵( Fermentation )

酸化発酵は、揉捻段階より始まっている。タイル張りの床、ガラス板の棚などで行う。写真はガラス板の棚。約5cm程の厚さにして、2.5時間放置 但し醗酵度合いは完全に 人間の官能と経験だけが頼りである。(当然湿度、室温等により時間も違って来る)最終的に、良い茶が出来るか、出来ないか工場の職人の経験が物を言う。

3)乾燥( Drying , Firing )

最近の機械は、密閉式が多く外から見てもその構造が分らない。上記乾燥機も説明を受けねば分らないだろう。まず、左上のコンベヤーで運ばれた茶葉が箱の中で回転する(5~6段)ベルトコンベヤーに乗る。熱風が下から吹き上げ最終左下辺りから排出される。熱風の温度は約95℃、約20分で出来上がる。

乾燥直後の茶葉「荒茶」=「あらちゃ」と言う。

これは小型乾燥機。ドラム式。乾燥はドラムの内壁面が2重になっていて、その間に熱風が通り、内壁面が温められる。茶葉は回転するドラムの中で乾燥される仕組み。小ロットの乾燥に使用する。おそらく特別仕様対応であろう。(セイロン、インドでこの手の小型乾燥機は初めて見た。)

(注) 日本の食品衛生法上、茶の原産地を言う場合は、この「荒茶」が製造された国を「原産国」にすると言う決まりがあります。従っていくらブレンドして形を変えても茶葉の原産地を見ればその製品の由来が分る訳です。

4)篩分け(ふるいわけ)グレーディング、シフティング ( Grading, Shifting )
乾燥された茶葉は、大きさが揃えられます。グレーディングと言います。写真は5段のシフターです。コンベヤーで運ばれた茶葉がバイブレーションによる篩で分けられて、一番下の篩から、一番細かい茶葉が出る。

篩にかけられた茶葉の出口。一番上より、一番大きい茶葉が出てくる。

5)包装

(旅人・寄稿:紅茶専門輸入商社 I氏)

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